トーハクに行ってきた。
狩野永徳の檜図屏風がお目当てである。

修復後初のお披露目だそうだ。
近くで見ると、その筆さばきの豪快さにホレボレする。
離れて見れば、そのオーラに圧倒される。

当時の絵師たちは、注文主たる権力者の好みに沿わないと命の危険があった。
加えて、大量の注文、弟子達やら家門やらへの責任など、永徳さんも大変気苦労が多かったことだろう。

ライバル長谷川等伯が期待をかけていた跡取り息子を亡くしてしまったのも悲劇だが、
永徳の過労死も悲劇だ。

今日では注文主の意向に沿った絵は堕落と考える人もいるかもしれないが、
注文主の審美眼や、画家の技量によって、優れた作品は幾らでも生まれてくると思う。

結局、どれだけ仕事に真剣に取り組むかが、大事なのだ。